住宅建築に使用した分の木を植えて育てる
株式会社Fractal設計事務所では、住宅建築の立場から、青森県森林(もり)づくり協定に基づく「企業の森づくり活動」として、平成22年から植樹・保育活動に継続して取り組んでいます。 ―青森県森林づくり協定とは― 大切な森林を社会全体で支えていくため、企業や団体と森林所有者、青森県が協定を結び、協力し合いながら、森林の整備を行うものです。 企業や団体は労力や資金を提供して森づくり活動を、森林所有者はフィールドの提供を、県は2者を結ぶ役割と森づくり活動のお手伝いを行います。
次世代への森林資源確保と二酸化炭素の固定による地球温暖化防止等の公益的機能の高度発揮を図るため、植えるのは、成長が旺盛なスギが主体です。
協定書締結式の様子
住宅建築に使用した分の木を自ら植えて育て、成長した木を次世代の新築やリフォームに使用する「循環型住宅建築」を通じ、地域の森林環境保全、森林資源の循環利用に貢献します。
活動内容 植樹、下刈 協定内容 第1期 平成22年~平成27年 協定面積 2.29ha(黒石市) 第2期 平成26年~平成31年 協定面積 1.11ha(青森市) 第3期 平成29年~令和 4年 協定面積 0.90ha(青森市) 第4期 令和 2年~令和 8年 協定面積 0.90ha(青森市)
取組への想い 株式会社Fractal設計事務所 小林代表
木材を使用するだけではなく、「建てる・植える・育てる」をコンセプトに、社員や住宅のオーナー様、建築関係業者、これから住宅を建てる予定のお客様が参加する植樹祭を開催し、伐採跡地にスギを植樹しています。若いスギの木は二酸化炭素をより多く吸収して成長し、約40年~50年で次の世代が木材として使えるようになります。地域で育った木を使い、地域に植樹して還元することで、オーナー様とともに森林の大切さを学びながら地域の山を整備しています。 木材を使って「建てる」際には、既製品建材をほぼ使用せず、大工さんが手仕事で木材を加工しています。とても手間のかかる作業ですが、地域の木材の特性を生かし、丁寧に加工することで、居心地ややすらぎを感じられる質感・風合いを大切にしています。 また、建築現場で出てしまう端材を事務所の薪ストーブ燃料として活用するなど、住宅建築・植樹活動を通して、カーボンニュートラルにも貢献する環境に優しい取組を行っています。 県産材の活用を通して青森県の活性化の一助になればと考えています。
外装に県産スギが使用された住宅