津軽の木で家を建てる会の挑戦

「津軽の木で家を建てる会」は、地元森林組合や製材業者、工務店を中心とした38社で構成され、五所川原市を中心に西北地域で活動しています。
  この西北地域は昔から青森ヒバの産地として知られ、地元の方々は住宅を建てる際には青森ヒバを好んで使用してきました。
が、青森ヒバの資源量が減少したことなどから、その代わりとして外材が多く使われるようになりました。
  そして現在、この流れを変え、青森ヒバ以外の県産材を使っていこうと取り組み始めたのがこの「津軽の木で家を建てる会」です。
  今回、会では、会員である工務店や製材業者のほか、関係材木店を含め総勢50人規模の県産材に関する研修会を実施しました。
内容は、山側での「植えて、育て、伐る」作業及びその大変さを森林組合から紹介した上で、実際に県産材を利用した住宅を建築している「チーム県産材」の有限会社キーポイントホーム阿保社長と企業組合県木住の佐藤代表理事から、住宅建築の際の取り扱いに関する注意点や工夫している点、施工例等の説明を受けました。その後、令和4年度に製材工場を整備した五所川原市の有限会社なかにしへ移動し、実際に県産材が丸太から製品になるまでの工程を視察しました。
参加者からは「初めて知ったこと、改めて勉強になったことがたくさんあった。」、「イメージで敬遠していたが、県産材も悪くないと感じた。」、「皆で県産材利用に取り組み、地域の産業を活性化していかなければ。」といった声が聞かれました。
  今回の研修会を企画した株式会社小嶋建設の小嶋社長は「今までは家を建てることに注力していたが、「青森県のこれから」を考えた時に、様々な課題・問題がある中でも、森林・林業・木材産業も含めた幅広い視点で家づくりを捉え、地産地消、そして地域資源の有効利用にも取り組んでいくことが青森県への恩返し、社会貢献にも繋がっていくという決意で企画・開催した。今はまだ地域単位だが、広く県民の共感を得られるよう情報発信していくと共に、関係者と連携し、「県産材で建てたからこんな良い家なんだね」と言ってもらえるような家づくりに取り組んでいきたい。そして将来的には他の団体等とも連携し、県全体での活性化に繋げていきたい。」と語っていました。
  会では今後、実際の伐採現場の視察・勉強会を予定しているほか、地域住民の方を対象とした森林ツアーも企画していきたいとのことでした。